初秋の風に誘われて

暑い夏が遠い過去に感じる秋風の吹く季節になりました。仙石原地区ではススキ原が日に日に穂が育ち、黄金色の絨毯が広がっています。

当館庭園では、不如帰(ホトトギス)や萩など秋を代表する草花が見頃を迎えております。

思い込みなのか、どこか夏の花と異なり冷しげな印象を受けるのは、気のせいでしょうか。

 

昨今節電を意識しながらも、「夏場は涼しい空間や冬場でも半袖で過ごせる空間」と季節感の無い便利な世の中が増えております。植物は自然にひたすらに身を任せ成長し　人が忘れてかけている何かを、一つの方法として「開花」して伝えようとしているのかと思われます。

自然豊かな箱根は国立公園に設定されており利便性に優れてはいませんが、そのかわりに緑にあふれ道路看板なども華美でなく、良い意味として進化していません。アナログからデジタル社会への変化の今日、健気に育つ野草を見ていると「初心忘れるべからず」を大事にと思える秋の日でした。